アナロジー思考[細谷功著]を読んでの感想&内容のまとめです。
読書の感想
細谷功さんの本は、考え方の原点を教えてくれます。
具体と抽象を読んでからファンになり、もう何冊もの本を読んでいます。
正直言って難しい本が多いですが、理解するのに自ら咀嚼しなければならないからこそ、”考える楽しみ” があるのだなと感じています。
アナロジー思考の基本は、表面的なことだけでなく構造と関係性を見抜いてからストックするところ。
そうすると適用範囲が広がるので、未知の現象に出くわしてもどんどん応用ができ、アイデアが湧き出るようになります。
私はまだ9割程度の理解ですが、世の中にある無数のビジネスが、単なるパクリなのかそれとも高いレベルの類推から生まれたものなのかを、ついつい考えてしまうようになりました。
これが、「ものの見方が変わる」ってことですね。
もう少し、細谷功さんの本を読んで理解を深めたいなと思います。
読書ノート
今回も、自分のトリガーとなるように要点を箇条書きでまとめました。
※自分用にまとめたノートです。言い回しや順番が違う箇所も多くあります。詳しくは本書をご覧ください。
アナロジー思考とは
アナロジー(類推)思考とは、似た事例から応用実践をする考え方のことです。
その似た事例というのが、一見すると全く関係のない分野からというのが、単なる真似やパクリとは違う点です。
本書に書いてある例:ビール工場のベルトコンベアから、回転寿司のアイデアを思いつく。
筆者は、遠いところからアイデアを借りてくると表現しています。
借りてヒントにするのは、抽象化した構造や関係性。
例えば「月極レンタカー」の構造を抽象化すると、、、、保管コストをかけたくない物を、月々定額で借りられるというもの。
車とは全く関係のない分野で、それが応用できないか考えてみる。
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洋服、宝石、掃除道具、別荘、自転車、赤ちゃん用のベッド、お掃除ロボット、高額な万年筆&インクなどなど。
これらほとんどが月極レンタルできる、あるいは必要な時だけ借りられるビジネスが、もう世の中にはありますね。
中には豊富な種類から毎月選べるものや、気に入ったら購入できるものもあります。
定額見放題の映画も似た構造ですし、最近では文具のサブスクもあります。
サブスクになると話はまた違ってきますが、お試しができる点・選ばなくても程よい物を選定してくれて楽な点で、構造が似ています。
目的によってどの部分を抽象化するのかは違いますが、アナロジー思考の基本は、構造や関係性を応用実践するところ。
全く関係のない分野でも、もしかしたら何かのヒントになるかもしれないということですね。
仕事以外の場でも、常にアンテナを立てておこうと思います。
↓抽象化については、こちらの本を読むとスッと理解できます。
<アナロジー思考のメリット3つ>
本書に書いてあったアナロジー思考の良いところ3つを、咀嚼しながら記録しておきます。
自分の理解を早める
何かを理解しようとする時、私たちは今までの経験もとに考えていることが多いです。
だから、アナロジー思考で応用実践できる範囲が広い人は強い。
ここで注意!
ただ単に現象を単体で記憶しておくだけでは、なかなか応用ができません。
抽象化して、構造と関係性を脳内にストックしておく。つまりは「モノの見方・考え方」を覚えておくということ。
そうすると覚えること自体はコンパクトで、色々な場面で応用できるのです。
簡単な例:↓小学校の算数
最初は1粒ずつ数えていた苺を、大きさの同じ箱に入れて数える。それを掛け算で表す。これが抽象化。
一度抽象化した考え方は、別の具体的な場面で応用ができる。
みかんでも、メロンでも、消しゴムでも、多くのものを数えたい時に、いくつかにまとめて掛け算で数えるとやりやすいと予測できる。
既習事項をもとに新しい単元を理解していくのも、アナロジー思考のうち。
こうやって超簡単な例を見ると、実は私たちは知らず知らずのうちにアナロジー思考をしていると気づきます。
あ、この考え方は何かに似ているなと思ったら、「アナロジー思考」に繋がるのかもしれませんね。
他人への説明が上手くなる
未知の話をする時は、既知の範囲内の例え話を通すと理解しやすいです。
既知の領域が広がるのは、階段を1段ずつ増やしていくのに似ているなと感じたので、図で記録してみました。
他人への説明が上手な人というのは、この例え話がとても上手な人。
相手のレベルに合ったものを準備してくれる人です。
子供たちに説明をするとき、後輩に説明するとき、ブログを書くとき、どんな例を出せば相手の既知の範囲に入れるのかを常に考えたいです。
アイデアを創出できる
本書P44〜の「予算管理のケーススタディ」は、とても分かりやすい例でした。
予算管理の再編成という課題に対して、カバンの中身からヒントを得る。
「遠いところからアイデアを借りて、組み合わせる」というアナロジー思考が、腹落ちしました。
細谷功さんは、私たちのレベルに応じた例を出してくれたわけですね。(※詳しくは本書をご覧ください。)
構造と関係性をストックする
大事なことなので、もう一度書いておきます。
抽象化して、構造と関係性を脳内にストックしておく。つまりは「モノの見方・考え方」を覚えておくということ。
これができるかできないかで、アンテナの感度が大きく変わります。
アナロジー思考ができると、理解力も説明力も高くなり、アイデアだってどんどん湧き出る。
そのレベルまで行くのには相当な時間がかかりそうですが、普段から構造と関係を意識するのとしないとでは、アウトプットに雲泥の差が出るのは明らかです。
どこまでの真似が許されるのかの判断もしやすくなります。
例えば、月極レンタカー会社の近くに年間契約のレンタカー会社を作ったらNGだけど、お隣の文具屋が万年筆&インクの月額レンタルを始めてもパクリだとは思われません。
知識として、そして円滑な社会生活を送るためにも、身につけたいアナロジー思考ですね。
参考図書&リンク
↓今回の本です。
↓同じ細谷功さんの本。アナロジー思考の他にも、多種多様な思考法を紹介している本です。
↓同じ細谷功さんの本。凝り固まった思考をほぐすのに役立ちます。
↓こちらで最後、同じく細谷さんの本。「地頭力チェックリスト」付きで自分を俯瞰視できます。
おまけ:↓考え方に影響を与える書籍まとめです。
あとがき
今まで偶然にもアナロジー思考を無意識に行なっていたことがあったわけですが、これからは意識的に構造と関係を見ていこうと思います。
子ども達との会話にも変化が出そうです。
学生の頃の勉強内容は忘れ去っていても構わないけれど、勉強方法や考え方はしっかり覚えておこうと伝えたい。
勉強って、各事象を覚えるのが目的ではなく、考え方を学ぶのが目的だったのですよね。
今さらながら納得しています。
余談ですが、本を読んだ後に「もっと早く読んでおけば良かったな」と考えるのをやめました。
読書は自分の経験との相互作用で脳内に蓄積されるから、「今・ここ」で読んだからこそ得られた知見があるはず。
小説だってビジネス書だって、今の自分に必要な言葉しか脳に残らないわけで、今の自分は常に変わっているのだから、読んだその時がベストなタイミングだったと思うようにしています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も、良い1日を〜♪