凍った心を溶かす”雪の名前[村山由佳著]”

雪のなまえ[村山由佳 著]を読んでの簡易レビューです。

内容と感想

不登校の小学5年生、雪乃の語りで紡がれる再生の物語。

東京で負った心の傷を、長野の自然と人との交流によって、ゆっくりと癒していく。

凍った心を溶かしていく心理描写が滑らかで、親として読んでも子供の頃の自分と重ねて読んでも面白いです。

周りの人達がとにかく温かいから、安心して読み進められました。

新しいスタートを切れるなら、何かを手放すのは逃げではない。

人生、七転び八起き。生きていれば転ぶことだって傷つくことだってあるけれど、起き上がり小法師みたいにまた起き上がればOK。

読書ノート

印象に残った表現と、主人公の曾祖父母の生き方を抜粋してまとめたノートです。


<いいなと思った表現>

今よりもうちょっとの頑張りは、その人を美しく、かっこよくする(p108)

もちろん頑張りすぎはダメだけど、ほんの1%でいいからもう少しだけ頑張ってみる。

ほんのちょっとの頑張りで背筋が伸びて、見える景色が変わる。

何かに向けて頑張っている人は、お世辞ではなく素直に美しくてカッコイイ。


<登場人物の生き方から学びたいこと>

強さと優しさ

  • 年をとっても怯まず、投げ出さず、腐らずに、自他共にきっちり筋を通していく強さ。
  • 誰に対しても公平に柔らかく接し、自分よりもまずは相手のことを心配して手を差し伸べる優しさ。

曾祖父母の性格を表した言い回しが好きで、短くまとめました。

言葉にするのは簡単だけど、あわせ持つのが難しい「強さと優しさ」。

人間力を磨くためには、どう生きるかを考えるに尽きるなと思いました。

あとがき

小説は、出会いのタイミングによって随分と印象が変わるものだと思います。

「雪のなまえ」は、都会と地方で二地域居住をしている我が家のライフスタイルとよく似ていて、主人公の年齢に近い娘がいたり家庭菜園をしていたりするところもドンピシャり。

久しぶりにゆっくり味わって読みました。

お気に入りの文具でまとめる時間も、また幸せなひととき。

小6の娘と夫にも勧めてみたら、やっぱりハマって読んでいます。

定番の話だと言えばそれまでですが、私の心に何かが残ったということは、今の自分に必要な本だったということです。

農業に関わるうんちくは、小説だということを忘れてメモしてしまいました。

この本との出会いに感謝です。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も、良い1日を〜♪