LISTEN―知性豊かで創造力がある人になれる[ケイト・マーフィ著]を読んでの、感想と読書ノートです。
内容と感想
ヒューストンを拠点に活動するジャーナリストが、傾聴の大事さを語っている本です。
人の話を聞くのは「面倒で退屈なもの」。
でも時には我慢して聞くことも必要。
なぜならば、話をじっくり聞くことができる人は、信頼を得るだけでなく、自分では考えつかない新しい発見や知識に出会うことができるから。
私たちは経験から、言ってしまう方がよっぽどか楽なのは分かっています。
次に何を言おうか考えている人や、アドバイスを始める人は、実は人の話を聞いていない。
鋭い指摘に、ドキドキが止まりませんでした。
日常会話の「聞く」から、犯罪者への語りかけ方や「聴き方」まで。
こんなに「聞く」ことを掘り下げた本は初めて読みました。
自分は、人の話をきちんと聞けているだろうか?
行動を振り返る良いきっかけになりました。
読書ノート
自分が実践できそうなことを中心にまとめました。
※自分用のまとめノートです。内容や言い回しが違う箇所が多くあります。詳しくは本書をご覧ください。
傾聴のコツ
今回は、子育てに応用するために、傾聴のコツを3つの観点で記録しておきます。
- 場の雰囲気は自分で作る
- 相手の視点を受け入れる
- 答えを探さず本人に話をさせる
場の雰囲気は自分で作る
人は、事実に感覚や感情を上乗せして話をします。
時には、感覚や感情の方が事実よりも大事になることもある。
つまり何かが起きた時は、その事実の受け止め方次第で、場の雰囲気は和むこともあれば緊迫することもある。
大切なのは、人生で自分の身に起こることよりも、それをどう感じるかです。(P153)
過激な反応を見せる人には、事実は何なのかを根気強く聞く姿勢が必要だということを、心に留めておきます。
そして、場の雰囲気を自分で作れるのであれば、良い感情や感覚を上乗せするような姿勢で過ごしたい。
相手の視点を受け入れる
「相手がなぜそれをあなたに言ったのか」をくむこと=共感(P149)
話し言葉での行間を読むのは、難しいことです。
特に、忙しい夕方に子供達や夫に話しかけられると、場当たり的な対応になってしまうこともしばしば。
「で?結局何が言いたいの?」「黙ってたらわかないでしょ?!」と結論を急かすことも多々あり。
いかんいかん。
自分の心に余裕がないと、相手の視点を受け入れるどころか、相手が話しづらい雰囲気になってしまいます。
相手の立場でものを考える姿勢が、深い理解につながり、人間としての器が大きくなるチャンス。
この繰り返しで、人として成長する。
そう思うと、難しい上司との対峙や子育ては、自己成長の絶好のチャンスですね。
仕事や家事密度を分散させて、話しやすい雰囲気を作りたいです。
答えを探さず本人に話させる
“話をしているうちに自分の考えが整理された”という経験は、誰しもが持っていると思います。
でもそれは、あくまで聞き手が話を受け止めながら、根気強く話を聞いてくれた時に限ります。
途中で、「なんで?」「〜すればいいんじゃない?」などと、会話の主導権を奪うような質問やアドバイスをするのはご法度。
聞き上手は、質問も上手。
答えはもう本人の中にあるものとして、うまくそれを引き出すような声がけをします。
本書でいくつか例が載っており、コーチングと似ているなと思いました。
画面から離れて聴いてみよう
スマホを見ている間に、「何かを生み出す時間」を失っている!!
太字部分は、「家族との会話時間」「子どもの不安を見つけるチャンス」「他の人との円滑なコミュニケーション」・・・・などなど、さまざまなことが入ります。
スマホで私たちの日常生活は便利になりましたが、バーチャルにばかり気を取られて、現実に集中できないのは本末転倒。
デジタルデバイスは、気を紛らわせてくれますが、心の栄養になることはほとんどありません。(P027)
スマホが悪だというのではなく、あくまで便利な道具として、必要な時に必要なだけ使うのが大事だということです。
参考リンク
本書と一緒に読みたい、人間としての器を広げてくれる本を載せておきます。
↓FACTFULNESS(ファクトフルネス)[ハンス・ロスリング著]
↓THE LONELY CENTURY なぜ私たちは「孤独」なのか[ノリーナ・ハーツ著]
↓ネガティブケイパビリティ。LISTENの本文中にも出てきた本です。(P195)
あとがき
大量殺人犯の共通点は、「誰も話を聞いてくれなかった」こと(P155)
この章を読んだ後は、悲しさと共に、いたたまれなくなりました。
孤独が不安を、不安が怒りを生み出す負のスパイラル。
インターネットで世界中と繋がれるのに、孤独を感じる人が多いという事実。
画面から、離れてみよう。
人の話を聴いてみよう。
行動すれば、何かが変わる。
「聴く」という漢字には、「耳」+「目」と「心」が入っています。
自分に話をしてくれる人に感謝し、目と心を傾けて聴ける人でありたいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も、良い1日を〜♪