THE LONELY CENTURY なぜ私たちは「孤独」なのか [ノリーナ・ハーツ (著)]を読んでの、読書ノートと感想です。
内容&感想
現代社会と切っても切り離せない、「孤独」について分析し、対策を提案している本。
インターネットでこんなにも繋がっている社会で、なぜ人々は孤独を感じるのか。
日本でも進んでいる孤独化を阻止するには、どうすれば良いのか。
イギリスの名門大学教授の解説には、危惧感だけでなく、孤独をチャンスに変えるヒントもたくさんありました。
自分達の置かれている環境や、孤独に感じる原因を知ることが第一歩。
そこからどう動くのかを選択し、子ども達が生きる未来を少しでも良くしたい。
私1人ができることには限りがありますが、リアルコミュニケーションを大事にする姿勢を、少なくとも自分の子供に伝えることはできます。
3人の子供達が少しでも行動を変えてくれれば、その周りの友達も影響を受ける。
そういうプラスの連鎖を増やせば、孤独が減る代わりに笑顔が増えるはず。
知識を力に変えるために、行動しよう。
脳科学者である茂木健一郎さんの推薦だけあって、読みごたえのある1冊でした。
読書ノート
印象に残った箇所と、今すぐ実践できそうなことをまとめました。
※自分用のまとめノートです。言い回しや内容が違う箇所も多くあります。詳しくは本書をご覧ください。
孤独化の原因と対策
本書では、孤独化の多くの原因と、それに対する対策が書かれています。
今回は子ども達に伝えることを念頭に、コミュニケーションについての記述を中心に記録しておきます。
デジタルコミュニケーションの台頭
孤独に感じる大きな原因の一つは、デジタルコミュニケーションの増加。
インターネットのおかげで、対面でなくても、離れていても、簡単にコミュニケーションが取れるようになりました。
とてもラクで便利なのですが、同時に、対話や人間関係の質を低下させる一因になっているのも事実です。
つまり、対話や人間関係のメンテナンス時間が減っており、単純に考えると、使われない能力が低下しているとの見方ができます。
<SNSの依存性や特徴>
SNSは、次々に娯楽が流れるスロットマシーンのようなもの。
余白や沈黙がなく、刺激や怒りに満ち溢れた世界です。
うまく道具として使えば、非常に有益。
流されるように依存してしまえば、非常に有毒。
炎上や怒りの投稿においては、ターゲットだけでなく、目に触れた人も孤独を感じてしまうそうです。
その影響力は、両親の口論やDVに触れた子と同レベル。
ここから先はもう負のスパイラルで、、、、
「自分の居場所はない」「未来は恐ろしい」→ 他人を信頼できず、利己的で分断的な思考へ → 他人に対する憎悪=自分を定義する手段となってしまう
結果、思いやりやケアの心は失われて、自己中心的な考え方に傾倒していくという流れです。
もちろん、全ての人がこの流れにそっている訳ではありませんが、多くの人が孤独感を感じて匿名での攻撃性を増している現実から考えると、無視することのできない現象です。
リアルコミュニケーションの見直し
孤独化の対策として著者が挙げている方法の1つに、リアルコミュニケーションの見直しがあります。
簡単に言えば、人の話に耳を傾けて、人間関係のメンテナンスをしようということ。
自分の希望だけでなく、他者の希望にも耳を傾けた上で調整し、譲歩したり違いを理解したりする。
つまり、減ってきている対話や人間関係のメンテナンス時間を取り戻す必要があるということ。
体調に気を配るのと同じくらい人間関係も大切にすれば、やがて孤独感や攻撃性は薄くなって、親切心がアップします。
集団にとっての最善が、自分の利益にもならないこともある。
平和的に共存する方法を模索する姿勢が、対話や人間関係のメンテナンスにつながります。
参考図書&リンク
↓対話については、こちらの記事で詳しく書いています。
↓コミュニケーションについて
↓こちらも、ネット社会における生き方指南書です。
あとがき
コロナ禍により飲み会もお茶の機会もなくなり、ますます人間関係が希薄になったように感じます。
でもその分、家族の会話は増えました。
時間のある時は、じっくり対話することもできるようになりました。
マイナス面があるならば、プラスの面もどこかに隠れている。
コロナ禍だから〜と言い訳せずに、この時代だからこそできることがあるはずです。
気持ちの良い人間関係を維持するために、私ができることは何か。
これからも周りの人と力を合わせて、お互いに歩み寄り、最善策を考えていきたいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も、良い1日を〜♪