共感障害:「話が通じない」の正体[黒川伊保子著]の感想&概要レビューです。
読んだ感想
子育て中のママ、部下を持つ社会人として知っておきたい知識本です。
正直に言うと、私の理解力では全てを咀嚼して取り入れることはできませんでした。でも、「これ、あるある〜!」「イラっときた“あの人の言動”は、脳内物質と関係があったのか!」と腑に落ちる部分がとても多く、何回も読み直して自分の経験と結びつけました。
『妻のトリセツ』で有名な著者の黒川伊保子さんご自身も「自閉症スペクトラム」であり、他の人(特に女子)と「話が通じない」と感じることが多かったそうです。
本書には、その経験をもとにした、当事者&周りの人ができること(対策)が丁寧に綴られています。
これだけ社会が多様化している現代です。
筆者が提唱する様々な対策は、共感障害の人たちだけでなく、全ての人の人間関係メンテナンスに役立つ考え方だなぁと感じました。
今回の読書ノート
共感障害の正体と、当事者&周りの人が意識したいことを中心にまとめました。
※私の経験や解釈をもとにまとめたものです。本の内容とは違うところもあります。
共感障害とは?
共感障害とは、脳機能の特異性(認識フレーム障害)により、「挨拶ができない」「背中を見て学べない」「悪気なく酷いことを言ってしまう」など、当たり前とされていることができない症状(コミュニケーション障害)のことをいいます。
ここで注意しなければならないのは、認識フレームの違いや差によって生まれるコミュニケーションギャップは、共感障害ではないということです。よくある男女脳の違いで引き起こる「分かり合えない」感じは、お互いが歩み寄る努力で何とかなるものです。
一方、認識フレーム障害による「分かり合えない」感じは、お互いが歩み寄っただけでは解決するものではありません。
※共感障害は、自閉症やADHDの特性の1つででもあります。本書では、自閉症(autism=独自脳)に関する考え方、超早期療育プログラムなどについても詳しく解説しています。
では、解決するためには、どのような対策があるのでしょうか?
共感障害の人ができること
筆者が考える、共感障害の人がコミュニケーションを円滑に進めるためのトレーニング方法です。
- 「うなずく」「メモをする」などの練習する。
- 「こういう時は、こんな風に行動する」という定型反応を学習する。(周りの人に教えてもらえるとGood)
- もし物事がスムーズに進まなかったら、「気がつかないで、ごめん」と言う。
生得的にできないから諦めるのではなく、経験によって補うようなイメージでしょうか。
本人の認知の範囲内では割と機転が利き、真面目で一途な人が多い共感障害の人たち。自分の特性をきちんと自覚し、謙虚な姿勢でコミュニケーションを取れば、もう少し生きやすくなるのかなと、希望の光が見えた気がします。
周囲の人ができること
筆者が述べていた、共感障害者の周りにいる人が意識したいことです。
共感障害の人に対してだけでなく、子育て・後輩育成・夫育て(笑)にも参考になりそうだったので、ノートに記録しておきました↓
- やって見せ、言って聞かせてさせてみせ、褒めてやらねば人は動かず。
- 話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば人は育たず。
- やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば人は実らず。
※山本五十六(やまもといそろく)さんは、新潟県出身の海軍軍人です(参考文献:wikipedia)。
本には、具体例と一緒にこれらの言葉が書かれているので、もっと実感が持てます。分かっているつもりだし、大事なことだけど、、、忙しくしていると疎かになりがちですよね。
カサンドラ症候群に注意!
カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群の夫を持つ女性によく見られる症状です。共感不足により、自己肯定感が低下してしまう(自己価値が消失)ので、共感障害の周りの人は注意が必要!
参考図書
↓今回の本です。
↓発達障害児の子育てのコツが書かれています。
無理なくできる! 発達障害の子が伸びるいちにちいっぽの育て方
amazonで試し読みができます
↓実体験に基づく、子育てのツボです。
発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法
amazonで目次を見ることができます。
↓大人の当事者が書いた本です。
まとめ
どんな脳にも利点がある!!それぞれの脳の個性を活かすと、他の人にはない発想を得たり、リスクヘッジにつながったりと良いことがたくさん♪
共感障害の本人も、周りの人も大変なことが多いのが現実です。
それでも、何事も楽しむつもりで違いを認め、強みを生かせるようにお互いが配慮をすると、心地よい人間関係を築くことができるのかもしれませんね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も良い一日を〜♪