FACTFULNESS[プレジデント5/29号]を読んでの感想&内容のまとめです。
↓こちらで思考方法に関する本をまとめています。併せてどうぞ。
ファクトフルネスとは
FACTFULNESS[ファクトフルネス](日経BP:2019年1月発売)は、データを基に世界を正しく見ようという考えの、ビジネス本です。
正確に言えば、「ファクトフルネス=事実にしっかりと目を向ける行為そのもの」を指しますが、本のタイトルとしての印象が大きいです。
世界では、200万部の大ベストセラー。
日本語版は、発売前からSNSなどで話題となり、累計70万部を突破(2020.5現在)しています。
「名作中の名作。世界を正しく見るために欠かせない一冊だ」―ビル・ゲイツ
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「思い込みではなく、事実をもとに行動すれば、人類はもっと前に進める。そんな希望を抱かせてくれる本」―バラク・オバマ元アメリカ大統領
ビル・ゲイツは、アメリカの大学を2018年に卒業した学生の希望者全員に、このFACTFULNESS本をプレゼントしたそうです。
↓本も読んでみました!
著者について
主な著者は、ハンス・ロスリング。
医師、グローバルヘルスの教授、そして教育者としても著名である。世界保健機構やユニセフのアドバイザーを務め、スウェーデンで国境なき医師団を立ち上げたほか、ギャップマインダー財団を設立した。タイム誌が選ぶ世界で最も影響力の大きな100人に選ばれた。2017年に他界したが、人生最後の年は本書の執筆に捧げた。
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TEDでは、生前のハンス・ロスリング本人のプレゼンテーションを聞くことができます。
PRESIDENT 5/29号の感想
今回のプレジデント5/29号では、ファクトフルネス本の要点を、日本人にも分かりやすいように例を出して解説し、コロナ禍に絡めて記事にしています。
一通り読み終わったら、不必要な不安から解放された気分になりました。
過去の経験や知識が豊富な人ほど、認知バイアスがかかってモノゴトを正確に見ることができない。
テレビでよく発言している識者でさえも同じようにバイアスがかかっているとしたら、1人の意見を鵜呑みするのは、ある種の危険をはらんでいるとも言えます。
池上彰さんや佐藤優さんが、多角的な視点でニュースを見るために、何社もの新聞に目を通すのも納得です。
大阪府知事の橋下徹さんが実行されているように、真実は誰にも分からないことを大前提に、ファクトに基づいて俯瞰し、自分の思考を組み立てるようにしたいです。
今回の読書ノート
ファクトフルネスの記事を中心に、自分の記憶に残りやすいようにまとめました。
※私の解釈と考えを含めたまとめです。詳しい内容は、本書をご覧ください。
事実≠自分の解釈
現状:自分の思い込み(本能)に支配された「自分の解釈」は、「事実」とは異なる。
色眼鏡をつけて見てるようなものです。
ファクトフルネスでは、事実を正しく捉えるには、10個の本能に打ち勝つ必要があると説明しています。
プレジデントでは、その10個の本能と実際のニュースを関連づけて解説してあるので、イメージがつかみやすかったです。
10個の本能を知る
10個の本能を、覚えやすいように3つに分類してみました。
- 知っておきたい「脳の傾向」
- 気をつけたい「先入観」
- 身に付けたい「幅広い考え方」
1つずつ、簡単に記録しておきます。
知っておきたい「脳の傾向」
ネガティブ本能
脳科学の本にも「脳は悪い方に考えたがる」と書いてあったなと、思い出しました。
DaiGoさんの本には、心配事の8割は起こらないとも書いてありました。
確かにそうかも。
ニュースは、普通にある良いことは取り上げません。
テレビは、人間の感情を揺さぶるような、ひどい出来事や感動物語をせっせと取り上げ、視聴率に結びつけているという側面があることを、忘れずにいたいです。
焦り本能
「通常の精神状態にない時に、重大な決断はしないほうがいいいよ。」
かつて勤めていた会社の先輩に、言われた言葉です。
私はその時、とても重大な決断(退職)をしたわけですが、、、もう少し冷静になれていれば、違う方法もあったかなと思います。
決断の前に深呼吸し、極論に走らないように注意したいです。
恐怖本能
人はしばしば、「恐怖」と「危険」を混同してしまいます。
テロによる死者よりも下痢による死者の方が多いのに、テロの方に恐怖を感じる。
滅多に起こらないことを恐れ、多大な神経を使ってしまうという本能です。
危険がどのくらいで、その頻度はどれくらかを、冷静に見極める必要があります。
過大視本能
視覚優位の人間らしいことです。
目の前の患者を救うのに必死で、全体の公衆衛生を改善した方が死者が減るという事実に気づけない、という例が取り上げられていました。
なるほど。
<これらの本能に打ち勝つための実践>
- 判断を左右する感情とは、冷静に付き合う。
- 恐怖ではなく、事実に基づいて判断する。
- メディアに流されず、プラス側面にも目を向ける。
気をつけたい「先入観」
いわゆる「思い込み」です。
宿命本能
人の運命はもう決まっているという思い込み。
過去の知識や常識に囚われて、小さな変化に気づけない人がよくやる「決めつけ」です。
時代はどんどん変化していることに気づいていないと、大きなチャンスを逃したり、失敗をしたりしそうです。
パターン化本能
一定年齢以上の人に多い気がしますが、枠にハメたがる本能です。
「ああ、このタイプね」と、すぐに人をどこかに分類してしまいます。
話をしている本人は、枠にハメてスッキリ。
聞いている人は、決めつけられてウンザリという構図です。
分断本能
実際には中間域の人が多いのに、どこかで線を引きたがるという、人間の本能です。
根底にあるのは、過去の成功体験や知識。
白黒ハッキリさせたいところですが、そんなに物事は単純ではないという認識が必要です。
<これらの本能に打ち勝つための実践>
- 根底知識は、時代の変化に応じて常にアップデートする。
- 枠にハメようとせず、柔軟に考える。
- 自閉症スペクトラムのように、連続体を意識する。
身に付けたい「幅広い考え方」
直線本能
右肩上がりのグラフを見ると、このまま直線は右上に伸びると短絡的に考えてしまう、人間の本能です。
過去の傾向や、社会情勢を加味せずグラフだけを見るのは、NGです。
犯人捜し本能
何か理由を見つけて安心する。
その気持ち、分かります。
しかし、本当に見つけないといけないのは、人(犯人)ではなくて原因となっているシステムだったり、会社の体制だったりするわけです。
誰かを犯人として祭り上げたところで、変革が進むとは限りません。
単純化本能
一つの切り口だけで解決しようとすることです。
トンカチだけを持っている人は、何を見ても釘にしか見えない。
道具箱のように、たくさんの方法を知っている方が良いという例が、書いてありました。
色々な切り口がある方が、繋がりを考慮した解決策が浮かぶのは、容易に想像がつきます。
<これらの本能に打ち勝つための実践>
- 何が課題や問題になっているのかを、適確に捉える。
- 視野が狭くならないよう、多様な視点で検証する。
- 「原因はあれだよ!」と、短絡的に決めつけない。
参考図書&リンク
↓今回の雑誌です。
↓ファクトフルネス本のレビューです。
↓ノート&メモ術が特集されていた、PRESIDENTのレビューです。
↓脳科学関係の本レビュー2つです。
まとめ
10の本能をコントロールして、データを基に世界を正しく見る習慣をつけよう!
せっかく10個の本能を知ることができたので、今後は、自分が偏った考え方をしていないか、常にチェックする姿勢を忘れないようにしたいです。
でもまあ、実際には何が真実なのかはわからないので、人々の感情や物語性を含めて、総合的に判断する必要があります。
そこが、人間社会の難しいところですね。
↓今月号のプレジデントに付属していた、「正しい情報」入手法。
「正しい情報」を、正しく理解する。
信頼できる情報の基準があると、選択パワーを無駄に消費しないで済みそうです。
その他、ためになった記事:
- 対談「ニュース・データの見方、使い方、落とし穴」(池上彰さん&佐藤優さんP12)
- ファクトフルネス著者インタビュー「このヤバイ世界を生き抜く確かな指針」(A・ロスリング・ロンランドP20)
- なぜ「賢い人」「インテリ」ほど、間違えてしまうのか“これが答えだ”(橋下徹さんP42)
楽しい読書時間でした。
世界は常に変わり続けていることを意識し、データリテラシー(情報に対する読解力)を磨いていこうと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も、良い1日を〜♪