座右の寓話[戸田智弘著]を読んでの、感想&概要のまとめです。
読書の感想
古典を読むには根性がない私でも、イソップ物語などの馴染みのあるお話ならば楽しめるだろうし、子供との話のネタにでもなればいいかなと読み始めました。
その気軽な期待は、速攻で裏切られました。
よくある教訓本とは違い、筆者の解釈が秀逸で目からウロコ。面白すぎて、足の痺れに気づかないくらい、同じ姿勢で読みふけっていました。
ツッコミどころの多い寓話が、またツボにはまります。
昔の人々も似たようなことをしているのだなと、クスッと笑いながらも、「人の振り見て我が振り直せ」という言葉が、ズシンと感じられる読後でした。
(詳しい内容については割愛いたします。新刊ではないので図書館にもある本です。ぜひお手にとってご覧ください。)
読書ノート
筆者の想像力と解釈の幅の広さに必死でついていき、私なりに得た教訓をまとめました。
※自分用のまとめノートです。解釈、言い回し、内容の順番は本書とは違います。
座右の寓話からの学び
寓話とは、愚かな行いや善い行いを、架空または実在の人間や動物を使って物語化し、教訓を与えることを意図したお話です。
代表的なものに、イソップ物語や、おむすびころりんなどがあり、多くは昔話として親しまれています。
その解釈は人それぞれなのが、寓話の面白いところです。
本書では、寓話1つにつき何通りもの解釈と現実社会との結びつけがあり、「ああ!こんな考え方もできるのか!」と思わず息をのむ瞬間が何度もありました。
寓話の多くは、「後悔先に立たず」的なものが多いのですが、筆者の「後悔」の定義がまた絶妙でした↓
後悔=過去を変えようとして悩み続けること
反省=未来を変えるために行動すること
では、印象に強く残った解釈のみを、トリガーとなるように箇条書きで記録しておきます。
幅広い認識としなやかな思考
これだけ成熟した社会だと、論理的な思考だけでは良いサービスを提供できません。
理性に加えて、人の心を動かす美意識と感性が必要。
なるほど。
普通に便利なものは、それだけを理由に売れることは少なくなってきているということですね。
そういえば私も、文具ひとつとっても普通のノートや手帳ではなく、プラスアルファを望んでいる気がします。
美意識や感性が大事になっているのなら、子ども達に知識の詰め込み教育をするだけでなく、美術や文芸にも触れる機会を多く作ってあげたいなと思いました。
↓筆者が読んで影響を受けた本だそうです。面白そうだったので読んでみました!
↓レビューです
心の健康を保つには
本書の中で、面白い考え方と表現を見つけました。
1つ目:
ネガティブビジュアリゼーションとは、簡単に言うと、今持っている大事なものがなくなったとリアルに想像し、実は今は幸せだったのだと感じるという心理技法です。
いつもNVをしているとダメですが、時には役立ちそうです。
2つ目:
悪意のない適切な嘘は、知性の表れである。
嘘も方便と言いますが、嘘が知性だという意見は初めてで新鮮でした。
自分につく適切な嘘も、思いやりの嘘も、時には有用だということですね。
学びの心得と学び方
「がんばる木こり」という寓話からの教訓が、とても分かりやすかったです。
↓概略
最初の日は、斧で木を18本も切ることができた。次の日は、より頑張ったのに15本のみ。また次の日は、さらに頑張ったのに7本しか切れない。その2日後には、1日中休まず格闘しても2本目の木を切れないでもがいている。途方に暮れていると、親方が一言、「最後に斧を研いだのはいつだ?」
木を切るという目の前の仕事にしか意識がいかず、斧を研ぐという基本的な仕事を疎かにしていたというオチです。
現代人であれば、刃を研ぐとはどういうことか?
身体・精神を整え、頭脳を鍛えることだと筆者は言っています。
頭脳は銀食器と一緒で、磨かないと曇ってしまう。
昔つけていた、シルバー製の指輪を思い出し、ぞっとしました。
筆者の解説は、まだまだ続きます。
↓解説の概要
社会人の勉強の仕方について:自分の能力を高めるためだけに邁進していては、限界にぶつかる。興味関心の輪もどんどん広げて、能力の輪と重なる部分を広げるのが良い。
そうすれば、新しいアイデアの組み合わせをひらめいたり、仕事の自由度が上がったりするから。
最近では、副業を認めている会社も多いですね。
それが本業へのメリットになるからだと、社長も気づいているのでしょう。
時間のかけすぎには注意して、私も興味関心の輪を広げていきたいです。
あとがき
効率的な人生という言葉はほめ言葉にはならない。むしろ味気ない人生という意味にさえ聞こえてくる。(中略)人生は早道や近道よりも、寄り道、脇道、回り道の方が面白い。それは人間らしい豊かな人生である。
座右の寓話P262
私はよく、忙しいフリをして生き急いでいる自分に気がつきます。
痛いところを突かれた気がしました。
急がない勇気・忙しがらない度量
「今日が人生最後の1日だったとしても、しみじみと振り返ることができる1日であったか。」
5年日記を書き続けているので、そのタイミングで自問自答してみようと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も、良い1日を〜♪