本当に強い人、強そうで弱い人[川村則行著]を読んでの感想&まとめです。
あらすじ&感想
この本は、強く生きるコツを主題に、人間の”強さ”や”弱さ”を分析している自己啓発書です。
完璧主義でストレスに負けそうになっている人、人間関係に悩んでいる人、強がってしまうがゆえに心が疲れている人におすすめです。
著者は、精神科医である川村則行先生。
精神分析や行動療法についても噛み砕いて説明してあるから、専門知識がなくても大丈夫。
強さの構成要素5つ:
- やりたいことがある
- 自分の心を守る術を持っている
- 衝動をコントロールできる
- 不満の中でも普段の自分でいられる
- 等身大の判断を下せる
強さとは、無理矢理ポジティブに考えることではないのですよね。
自分の弱さを認め、それを乗り越える力が本物の強さ。
本物の強さは情緒的な安定をもたらし、良い意味で他の人にも伝染します。
つまり、心理学を学ぶことで、自分メンテナンスだけでなく周りの人をも幸せにできる。
それを強く実感した読後でした。
読書ノート
今回は、いつもと違う色でのまとめました。
↓1ページ目
↓2ページ目(捕捉)
※自分の解釈でまとめたノートです。内容や順番が違う箇所が多くあります。詳しくは本書をご覧ください。
希望や理想が未来を変える
まずは大前提:
過去と他人は変えられないけれど、自分の心の持ち方は変えられる。
つまり、、、
未来は変えることができる!
根拠なんて必要なし!「人生、なんとかなるさ」「暗闇の先には光がある」という希望こそが生きる力であり、人生や世界に対する信頼感になる。
本当にその通り。
どんなに辛くても、この世界が処理可能であると信じることで、勇気を持って前に進むことができます。
反対に、「もうだめだ」「絶対にこうなっちゃうんだ」と決めつけてしまうと、出せるはずの一歩も出てこない。
病は気からと言いますが、心の持ち方ひとつで未来までもが変わってしまうのです。
でもね、長年培ってきた価値観は、そう簡単には変えることができないですよ…..。
そんな時は、理想像を持つことが有効だと筆者は言っています。
前に進むにあたり、尊敬できる人や素晴らしいと思える人の存在はとても重要。
理想とする生き方があるということは、それだけで心の栄養となる。(P52)
子どもが強いヒーローと自分を重ねて成長していくように、大人にも憧れの存在があると強いということです。
↓「強く生きるコツ」を自分で実践しやすいように、3つのステップに分解して考えてみました。トリガーとなるように箇条書きでまとめます。
強く生きるための3ステップ
自分のことを知る
まずは自分の弱さを知る。つまり、等身大の自分を認めることからスタート!
地図で言うと、自分の現在地を知るような感じです。
自我を鍛える
自分を客観視できたら、次は自我を鍛える段階へ。
これは人生という名の冒険。
失敗を恐れていて行動を起こさなければ、いつまでも弱いままです。
多少つまずいたって、転んで擦り傷を作ったっていい。
兎にも角にも一歩進んでみることが、自分を変えることへとつながります。
結局人間は、経験に基づいた”強さ”を身につけることで成長していく存在なのです。
↓自我に関しては著者が述べている5つの力が腹落ちしたので、黒紙に白ペンでまとめました。
※詳しい解説は第1章(P39〜)をご覧ください。
素直になる
最後は心構え。
最初のステップ「自分の弱さを認める」と重なる部分です。
強くなるためには、頑なにならずにアドバイスや自分の失敗をしなやかに受け入れる器と、身の回りの事象に対して素直に楽しみや喜びを見つけ出す姿勢が大事。
心療内科の先生方は、心の病を治療する場面で「リソース」という言葉を使うそうです。
リソースとは、「患者さんが治療していく上で役立つような資源」のこと。例えば家族や恋人・友人などの他者や、記憶や価値観、病院や医者、小説やエッセイ、スポーツや自然・・・・いくらでも出てきます。
リソースは思考の可能性を広げ、脳を元気付けてくれる栄養素。
最大限に活用して、柔軟に見方や考え方を変えていきたいです。
いろいろな価値観を視野に入れて考えてみることで自分の可能性も広げられるし、自分自身を救うことだってできる。(P124)
↓大人として知っておきたいこと↓
人を育てる基本の考え方
第1章に記されていた、”どのように育てられたかは、とても重要(P32〜)”の項は、子育てのみでなく”人を育てる”にあたり根幹となる考えです。
よく守られ、よく任されて育った人は心が強い(P35)
よく守られていると、「自分は重要な存在である=自尊感情」「ありのままで自分でいいんだ=自己肯定感」を持つことができ、精神的に安定します。
よく任せられていると、自由に自分のしたいことをして、経験から多くを学ぶことができます。
つまり、成功も失敗もたくさん経験することで、自分はどこまでだったらできて、何が苦手なのかが分かるようになります。
経験は、自分自身を知って心を鍛える実地訓練だ。その数が多いほど、人は強くなれる。(P38)
卑屈にも尊大にもならず、凛として強く生きている人は、よく守られよく任されて育った人。
その人たちが持っている「等身大の判断を下せる」という力は、本当に大事な能力だなと思います。
↓子ども達や後輩に伝えたい!そう思った箇所
人生には何度か、生きていくのがつらくなるほど思い悩むときがあるだろう。そんなときは「自分を発見する時期」なのだと腹をくくったほうがいい。そして、自問自答を繰り返して、徹底的に悩み抜いたほうがいいと思う。その長いトンネルから抜け出したときに見える太陽は、前に見た太陽よりもずっと輝いているはずだ。(P216)
挫折や逆境は、自分を成長させてくれる存在。
そう考えると、降りかかる困難にさえ感謝できそうです。
〜余談〜
(覚えておきたいことの記録)
メンタルを損ねる原因3つ:
- 高デマンド=要求度が高い
- 低コントロール=裁量権が低い
- 無Support=支援や協力がない
認知行動療法の考え方:
経験から得られる小さな達成感を積み重ね、新しい環境に適応し、認識のズレを修正する。
脳の中の報酬系と罰系の「配線」を変える工事(P181)
参考図書&リンク
↓今回の本です。私は図書館で借りて読みました。kindle unlimited では読み放題対象になっています。(2021.6現在)
↓気持ちが前向きになる書籍5選のレビューです。
↓認知行動療法についての入門書のレビューです。
あとがき
心の基礎体力の鍛え方。この類の本が人気だということは、心の基礎体力がない人が多いということですね。
子ども達や後輩には、経験に基づいた強さを身につけて欲しい。
私ができるのは、その環境を整えること。
自分で気づいてもらうのがベストだけど、時には強くなるコツを教えるのも必要かなと思います。
不完全でもいいから、一歩前へ。
その積み重ねで、人生は前向きに進みます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も、良い1日を〜♪
↓使っているノートはサニーノートです
↓「クリーンカラードット」について