insight(インサイト)―いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力[ターシャ・ユーリック著]を読んでの、感想&要約です。
本の内容と感想
組織心理学者である著者が「自己理解」について丁寧に解説している本です。
職場での人間関係、家族関係、その中で見えてくる「自分」。
実は自分のことは、自分が一番よく分かっていない。
昔から言われていることであり、私自身も感じるこの事実について、バッサリとメスを入れています。
難しい用語は少なめで、豊富な実例があるのでイメージしやすかったです。
巻末資料では、自分の価値観を棚卸しできる質問(ワーク)がたくさん。
自分の新たな一面を知る、良いきっかけになりました。
読書ノート
プリズムの例が分かりやすかったので、マルチ8(色鉛筆)を使って彩色しました。
※自分用のまとめノートです。内容や順番が違うものも多々あります。詳しくは本書をご覧ください。
↓マルチ8について
自己認識力の鍛え方
著者によると、自己認識には7つの柱があります。
価値観・情熱・願望・リアクション・パターン・インパクト・フィット(★)
7つの柱が入ったプリズムを通せば、もっと豊かで複雑で、厚みのある形で自分が見えるようになる。
自分という人間を、因数分解することに近いかもしれません。
※それぞれについての詳細は、本書をご覧ください。
ここで重要なのが、自分を正しく理解するためには、自分の観点での理解(内的自己認識)と同時に、他の人がどのように自分を評価しているのか(外的自己認識)を得る必要があるということ。
これらは、どちらか一方だけだとバランスが取れずに崩れてしまう。
例えば「水素」と「酸素」のように、単体では爆発したり燃えやすかったりするけれど、絶妙な割合で結びつくと命を支える水となる。そんな感じです。
ここからは、内的自己認識力と外的自己認識力について、私が個人的に、普段の生活や仕事で活かせそうなところのみを記録しておきます。
内的自己認識力
内的自己認識力とは、文字通り、自分の内面と向き合うことで自分を理解し、それを前向きに生かす力です。
今の環境にフィットしない場合、目の前で繰り広げられる惨事に場当たり的に対処しても、根本的には解決しません。
↓↓↓7つの柱に沿った、自分の内面との向き合い方例↓↓↓
- まずは「人としてどう在りたいか」という願望について考える。
- 自分は何に情熱を持ち、どのような価値観(行動指針)で生きているのかを振り返る。
- 無意識に取ってしまう行動を分析し、自分の長所や短所を受け入れる。(=リアクション)
- その上で、より良い選択ができるように、自分の性格や傾向を把握する。(=パターン)
- 自分が与える影響力(=インパクト)を知り、自分にとって快適な環境(=フィット)を見極める。
ただし、いくら冷静に自己対話しても、自分では気づかない面が必ずあるもの。
だから、共感や同情に流されることなく建設的な視点で助言してくれる「他者」の存在、これが大事になってきます。
↓↓↓他社の目を通して自分を見るということ↓↓↓
外的自己認識力
外的自己認識力とは、簡単に言うと、他の人に自分がどんな人間なのかを教えてもらい、それを前向きに生かす力です。
意見を求める相手は誰でも良いわけではなく、適切な相手に具体的な質問をすることが、時間も気力も節約できます。
先ほども書いた「7つの柱」(価値観・情熱・願望・リアクション・パターン・インパクト・フィット)について、今度は他者に問いかけるイメージ。
意見やアドバイスをもらったら、真摯に受け止めて向き合い、行動に移すことで視点取得(気づくこと)成功です。
これは私の解釈なのですが、他者からの視点取得後は、内的自己認識とは反対に、have→do→beと下に深掘りしていく方やりやすいことが多いのでは?と思います。
「君は〇〇だよね〜」という指摘があったら、その印象(インパクト)はどういう行動(パターンやリアクション)から来るのか、そして、その根底にはどんな価値観(情熱・願望)があるのか、、、という具合に。
↓↓↓日々の生活で意識したいこと↓↓↓
正しい自己認識への3ステップ
本書に書いてあった「自己陶酔(独りよがり・うぬぼれ)を予防するための対策」から抜粋して、箇条書き形式で3つにまとめます。
- インフォーマーになる
- 謙虚さを養う
- 自己受容に励む
インフォーマーになる
自分のことを見て見て〜と自慢するだけの人(ミーフォーマー)にならない。
つまり、独りよがりの”リア充”アピールではなく、世の中に役立つ情報を発信する。
自分以外にも関心を持つと、SNS上でも良い関係を維持することができます。
謙虚さを養う
世の中、「全てを知り尽くして絶対に正しい人」は存在しません。
自分の認識の盲点、感情の盲点、行動の盲点に気づいたら、非を認めて素直に謝る。
これらの盲点が命取りにならぬよう、「事実」と「解決策」に焦点を当てて考える習慣を普段からつけておきたいものです。
ソクラテスの「無知の知」のように、自分の知らないことを知る姿勢は本当に大事。
学び続けることによってのみ、未来は開けているのでしょうね。
自己受容に励む
自己受容とは、簡単に言うと”ありのままの自分”を受け入れることです。
自分が持っているコンプレックスや欠点、ネガティブな面も全て受容し、今のままの自分でいいんだと思える。その感覚が「自己受容」です。
実際にそんなことできるの!?と思われるかもしれませんが、リフレーミングやマインドフルネス、日記などを活用することで、ありのままの自分を好きになることは可能です。
詳しい実例や活用法は、ぜひ本書をご覧ください。
参考図書&リンク
↓今回の本です。
↓自己分析に役立つワークシートや本のレビューを載せておきます。
あとがき
変化の風が吹き荒れるとき、ある者は壁を築き、ある者は風車を作る。(中国のことわざ:本書P76)
自分を変えていく必要がある時というのは、たいていの場合、嵐が吹き荒れています。
そんな時、周りをシャットダウンするための壁を作って引きこもるか、風車を作って風を利用するか。
どちらを選ぶかによって、見える未来が違います。
一歩進むためには、自分の中の許容範囲を広げる必要がある。
私は、人との交流に加えて、読書での追体験も、人間としての幅を広げるのに役立つのでなないかなと感じています。
柔軟に自分の考え方を変えながら、一歩ずつ前に進みたいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も、良い1日を〜♪