ニッポンには対話がない―学びとコミュニケーションの再生[平田オリザ×北川達夫著]を読んでの、感想&概要のまとめです。
読書の感想
劇作家・演出家である平田オリザさんと、元外交官・フィンランド教材作家である北川達夫さんの対談の記録です。
テーマは難しくお堅い内容ですが、語り口調で書かれているので、国語が一番苦手な私でもスラスラと読めました。
大事だと思ったこと:
- 自分とは違う「他者の立場」で考える視点を持つこと
- お互いの価値観をすり合わせていく対話力を育てること
- 対話ができる環境を、家庭・学校・職場・地域に作ること
出版から10年以上経っていますが、まだまだニッポンの課題です。
(いや、もしかして私だけの課題かも?)
子ども達や夫に対して、一方的に自分の価値観を押し付けるのではなく、対話を通して前向きな妥協点を見出せるようになりたいなと思いました。
読書ノート
↓せっかく新しいマーカー(マークタス)を買ったので、いつもと少し違う色合いにしてみました。
※日常生活に生せるよう、自分用にまとめたノートです。対談の内容とは順序・表現方法が違う箇所が多くあります。詳しくは本書をご覧ください。
今回は、サラッととレビューします。
日本人に足りない「対話」の機会
本書では、学校の表現活動・言語活動の欠点や、普段からもっと「対話」の機会を増やす必要性が、こと細やかに書かれています。
型通りの「学校教育」を受けてきた私は、自分の価値観が揺さぶられるのを感じました。
日本人が、答えがないもの、正解がない問題に対して意見を言うのが苦手なのは、「対話」の機会が足りないというのが、お二人の主張です。
会話と対話の違い
平田オリザさんは、会話と対話の違いをこのように説明しています。
会話とは、「親しい人同士のおしゃべり」のことを指します。
一方で対話とは、「異なる価値観をすり合わせる行為」であり、この対話をとことんする精神的な体力が日本人には不足していると指摘しています。
対話力=問題解決能力
突き詰めると、対話をするという行為は、問題解決そのものです。
大事なのは、「自分の立ち位置」は明確にした上で、相手の立場だったらどうするのかという想像を働かせること。
それを、エンパシーと言います。※シンパシー(同調・感情移入)とは違う。
そして、異なる感性や価値観を受け入れた上で、とことん議論して話し合う。
最終的には、どちらかが折れるのではなく、前向きな「妥協点」を見出していくのが、対話です。
対話が習慣化すると、様々な問題に対処する力がつき、現代の複雑な社会でも生きやすくなりそうです。
参考図書&リンク
↓今回の本です。
↓2013年の新書大賞で第4位を獲得した、「コミュ力」とは何かを突き詰めた本です。私も以前図書館で読んだことがあり、これまた価値観を揺さぶられました。
本のレビューはこちら↓
↓北川達夫さんの著書です。amazonのリンクから試し読みができます
まとめ
10年以上前の対談(@こまばアゴラ劇場)について書かれた本ですが、未だにニッポンには対話が少ないのが現状だと、私は思います。
気軽に会話でコミュニケーションを取るSNSが、それに拍車をかけているのかもしれません。
それでも、我が家の子ども達の授業参観を見ていると、自分が子どもだった頃に比べると、少しずつですが学校の授業も変わってきているなと感じています。
親として、大人として、子ども達の対話力を磨くために、まずは自分の言語習慣を変えていこうと思いました。
↓親子の対話のお手本。こんな会話ができるといいな。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も、良い1日を〜♪
〜余談〜
自分のために、会話と対話の英訳を記録しておきます。
会話:conversation
- an informal talk involving a small group of people or only two; the activity of talking in this way
対話:dialogue
- a formal discussion between two groups or countries, especially when they are trying to solve a problem, end a disagreement, etc.