「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2」ブレイディ みかこ (著)を読んでの、感想&読書ノートです。

内容と感想
大人がスルーしがちな社会問題を、真っ向から受け止めて考える13歳の「ぼく」の物語。
語り手は、母ちゃん(著者)です。
イギリスの「元・底辺中学校」に通っている息子とユーモアたっぷりな母ちゃんとの会話が、とにかく熱い!
エッセイでここまで色々と考えさせられる本は、なかなかないと思います。
社会に問題提起している感じもするので、ルポタージュと言った方がいいのかもしれません。
多様性とは何か。この社会を私たちは信じることができるのか。
考えるのを諦めなければ、変化は必ず来る!
「ぼく」と母ちゃんだけでなく、周りにいる人達までが愛おしく感じ、前作同様、心に染み渡りました。
↓特設サイト|新潮社
https://www.shinchosha.co.jp/ywbg/
読書ノート
今回のノートは、印象に残った箇所を自分なりにまとめ直したものです。

※基本的には本書の考え方からのまとめですが、自分用のまとめノートなので主観が入っています。詳しくは本書をご覧ください。
以下、備忘録です。
A Change is Gonna Come
本書の中で出てくる歌の題名です。
アフリカ系のアメリカ人の怒りと希望が込められた歌で、作者はサム・クック。
本書では、中学生の黒人の女の子が歌っています。
たとえ時間がかかったとしても、変化は必ずやってくる。
古今東西、人々は色々な偏見や不平等と戦ってきており、現代でもまだまだ続いています。
それでもこの社会を信じ、自分達が生きやすい世の中になると希望を持つことは、それだけで勇気ある行動。
学校に馴染めなかった黒人の女の子が、勇気を出して、全校生徒の前でこの歌を披露する場面は圧巻です。
多様性を軽く考えちゃいけない
誰が正しいとか、誰の言動の方が大事だとか、ハッキリと決める必要なんてない。
少し批判したり、疑問視したりしながらでも、お互いのことを尊重し、それぞれの立場でやっていく。
これが多様性。
グローバル化とかっこいい言葉が出回っているけれど、その根底には、人と人との尊重し合う姿勢がある。
英語だけ話せたって、それは真の国際人なんかじゃない。
人のことを見くびって、自分を高める材料にしてはいけない。
誰かのことをよく考えるとは、その人のことをリスペクトすること。
多様性がしっかりと機能している社会では、お互いが補強し合う関係を作ることができる。
今を生きる子供達にとっては、言葉の壁よりも、差別や偏見の壁の方がもっと大きいのではないか。
それを乗り越えるだけの勇気と知識を持つことが、多様性が機能する社会への第一歩。
参考リンク
↓今回の本です。これは2巻なので、1巻から読む方が理解が深まります。
↓1巻のレビューはこちら
併せて読みたい本2冊です。
↓コミュニケーションについての本。多文化共生や、本書に出てきた多様性を理解する手助けになります。
↓同情や共感とは違う、エンパシーについて詳しく書かれている本。
あとがき
飛び上がるくらい嬉しい日もある。
どん底まで落ち込む日もある。
調子が良かった日もあれば、
何もできなかった日もある。
それがライフ(人生)というもの。
誰だって悩みや不安を抱えながら生きているのだから、「どうして自分だけが・・・」という考え方はNG。
下を向いて、自分の中で抱え込むだけでは、何も変わらない。
モヤッとした思いは、言葉にしてみる。ノートに書くもよし、相手を選んで話すもよし。
行動すれば、何かが変わる。
卑屈にも尊大にもならず、凛として生きよう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も、良い1日を〜♪