イシューからはじめよ〜知的生産の「シンプルな本質」ISSUE DRIVEN〜[安宅和人著]のレビューです。
正直言って、かなり難しかったです。
↓こちらで思考方法に関する本をまとめています。併せてどうぞ。
読書ノート
私は、問題解決ビジネスの最前線にいるわけではないので、現在の仕事や生活に活用できるまでレベルを下げて、簡素化してまとめました↓
※自分用のまとめノートです。詳しい内容は、本書をご覧ください。
ISSUE DRIVEN
生産性が高い人は、同じ「労力・時間」で、多くの「アウトプット」を出せる人であると、筆者は定義しています。
分母である「労力・時間」は、少ない方がいい。
分子である「アウトプット」は、大きい方がいい。
つまり、自分を犠牲にしてがむしゃらに働き、その結果、多くの成果を出すような人は、実は生産性が高くない!という、厳しい指摘です。
目の前にある問題から順番に取り組むと、解決する必要のない問題に対しても労力を使い、全ての「解の質」を上げることになります。
結果、時間・労力ばかりがかかり、価値のある成果の割合が低くなってしまいます。
筆者が、本書P32で「犬の道」と揶揄しているやり方です。
では、どのようにしたら生産性が高くなるのか?
↓超簡単に言うと、、、
動く前に、解決すべき問題(ISSUE)を見極める。
その上で、スピード&適当な精度を上げる。
この順番を守るのがポイントです。
〜余談:家事に転用してみる〜
家事に例えると、とにかく全てを完璧にこなそうと必死になり、自分の貴重な時間・労力を大量に投下した結果、何とか家が綺麗になって家庭が回っている状態です。
お料理も、毎日手抜き知らずの愛情たっぷり料理。
床には何一つ落ちていない綺麗なお部屋。
そこに残っているのは、自己満足の世界で疲弊している自分と、「そこまでやらなくてもいいのに、、、」という家族の冷めた視線。
かつての私もそんな時期があったなぁと、反省。
家事の目的は、SNS映えする家にするのではなく、家族みんなが気持ちよく暮らせることです。
動く前に、重要な家事を見極め、やることを削る。
その上で、スピード&適当な精度を上げる。
無駄な労力をカットして、その分、子供達と遊ぶ時間や自分と向き合う時間を確保できればいいなと思います。
↓私なりに理解したことです。本書の順番とは、違う箇所があります。
生産性を高める手順
生産性を高めるための手順を、3つの段階に分けて図解&解説します。
イシューの見極めと分解
まず始めに、イシューの見極めについて。
大前提として、解決すべきイシューは、答えが出せるイシューです。
「悩む」=「答えが出ない」と言う前提のもとに、「考えるフリ」をすること
ISSUE DRIVEN P4
「考える」=「答えが出る」と言う前提のもとに、建設的に考えを組み立てること
自分の力ではどうしようもない現象(答えが出ない問題)について悩むのは、時間と労力の無駄ですよね。
建設的に考えを組み立てるには、そのイシューを「答えを出せるサイズ」まで分解し、本質を深く理解する必要があります。
分解したイシューを、筆者は「サブイシュー」と呼んでいます。
※分析の詳細については、第二章に詳しく書いてあります。
仮説に基づいたデータ収集
しっかりと洞察ができていれば、イシュー・サブイシューに対する解の予測がつきます。
その時点で仮説を立て、どのようなデータがあれば実証できるのかという視点で情報収集をすると、スピードと精度を上げることができます。
仮説から逆算してデータを収集するという考え方です。
データ収集に関しては、「知り過ぎるとバカになる」という事実の根拠となるグラフ、P84「集めすぎ」、P85「知りすぎ」が、とても印象的でした。
↓知っておくべき、データ収集の注意点。
集めすぎ=情報収集に労力・時間を大量に投下しても、実効的な情報はある程度で頭打ちになる。
知りすぎ=知識はある程度までは知恵を増やす方向に働きかけるけれども、一定レベル以上の知識を得てしまうと、かえって新しい視点や知恵を生み出すのを邪魔する存在になる。
専門外のことなどは相談できる人(知恵袋的な人)に聞くのが良い。
なるほど。
余談ですが、、、これらの注意点は、情報がありすぎて陥る「育児不安」を解消するために、知っておいた方が良い気がしました。
話を戻します。
データが揃ったら、言葉だけだったストーリーラインに、グラフや図を付け足していきます。
それを、「絵コンテ」と筆者は呼んでいます。
「絵コンテ」とは、プラモデルや建築における設計図のようなものです。
しっかりとした軸・数値・組み立て方法を知っていると、立派なプラモデルや建築物が出来上がります。
その反対もしかり。
それぞれのイシューの具体的なデータイメージが、後々の成果を左右してしまうのですね。
※絵コンテ作りについては、P141〜に詳しく書いてあります。
検証サイクルを回す
最終段階、検証&アウトプットについてです。
成果を最大化するには、検証サイクルを何度も高速で回すことが有効です。
もちろん、本質を見失わずに。
最初から修正を加えていくことを前提に、トライアンドエラーで検証を進めるという点では、アジャイル開発と似ているなと感じました。
プレゼンなどでの注意点:
アウトプットは、受け手にとって十分なレベルでOK!
- 完成度よりも回転数
- エレガンスよりもスピード
- 聞き手は賢いが無知
聞き手の立場になって考え、情報をつないだアウトプットを心がけたいです。
ついつい完璧さを求めて時間を費やしてしまいますが、どこにどれだけの時間をかけるかの線引きも重要ですね。
参考図書&リンク
↓今回の本です。
↓安宅和人さんの最新刊「シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 」です。読んでみたいな。
↓「無駄足を踏まない」ための視点作りに役立つ本のレビューです。
↓半分の時間で2倍の成果を生み出すには、フレームワークを適宜活用するのが良いと分かる本のまとめです。
あとがき
この本は、読めば読むほど新しい発見があります。
言い換えれば、よく読んで初めて自分の経験と結びつく箇所が増え、理解が進みます。
問題解決ビジネスの手法は、普段はあまり使わないけれど、考え方を私生活や自分の仕事に転用できそうな部分が多くありました。
メモの魔力の前田祐二さんの「抽象化」「転用」を意識して、できることから実行していこうと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も、良い1日を〜♪