発想の原点を探る:思考のレッスン

思考のレッスン[竹内薫・茂木健一郎著]を読んでの読書記録です。

内容&感想

前半は、竹内薫さんのエッセイが中心です。

好奇心旺盛で、疑問に思ったことはとことん追究していく姿勢はさすが。

物理と数学の違いなど、大人だけでなく高校生が読んでも面白い内容です。

豊かでユニークな発想の原点を垣間見た感じで、テンポよく楽しく読めました。

後半は、竹内薫さんと茂木健一郎さんの対談です。

思考が深まる会話とは、こういう対話のことを指すのだなと、日々の会話を顧みました。

読書ノート

自分が実践できそうなところをまとめました。

※自分用のまとめです。言い回しや順番、意図するところが違う箇所が多くあります。詳しくは本書をご覧ください。

生きる力=考える力

“一芸に秀でるのではなく多芸であったからこそ、いまの自分たちがある。”

器用貧乏でもOK。

人生の荒波は、「合わせ技」で乗り切ることができる!!

ああ、この言葉には救われるなぁ。

割と何でもそつなくこなす私ですが(←自分で言うな!)、残念ながら、決して何かに秀でているわけではありません。

それでも、相談すべき人や頼るべき人は誰なのかを考え、力を上手に借りることによって、今の仕事や立場を手に入れた。

そう思うと、生きるということは、考え続けることに他ならないのかもしれません。

発想力を強くする方法

発想力を磨くには、自分の力だけで全てを解決するのではなく、自分の価値観は保ちつつ、視野や行動を広くすることが大事。

ポイントは3つ。

  • 専門家を頼る
  • 知ることで勝つ
  • 自分の中に基準を持つ

1つずつ、簡単に記録しておきます。

専門家を頼る

自分の得意分野から出て、探検に行く。

そうすると、未知の世界に驚き、心動かされ、時には価値観の衝突をも経験することになります。

そして、それらの経験こそが未知の世界と自分を融合させる媒体となる。

いくつもの分野で辞書的な人になれるわけはないので、自分がわからない分野はサッと専門家から教えてもらえばいい。

それらを自分の世界に取り組むことで、いわゆるイノベーションは起きます。

知ることで勝つ

一番良くない例が、

知らない

怖い

排除・避ける

という降下ループ。

世の中の多くのことは、仕組みを知ることで乗り越えることができます。

例えば受験だってそう。

志望校合格への対策を、自分だけで考えていたら、いつまでたっても合格できません。

だから過去問や経験豊かな塾の講師の教えなどで、効率の良い勉強のコツや受験のシステムを知る必要がある。

知っている

恐れるものはない

立ち向かうことができる

これが上昇ループ。

受験に限らず、仕事においても幅広い知識があることで、多視点で色々な可能性を考えられるようになります。

Plan B を提案できるかできないかの差は、多視点で考えられるかどうかにかかっているのかもしれません。

時には失敗することがあってもOK。

うまくいかなかったら、少し立ち止まって知識をもとに考えてみる。

先人の知恵や世の中の動き・仕組みに合わせて、自分の行動を修正していけば、勝ちパターンをゲットできる!

自分の中に基準を持つ

世の中には、いくつもの分類や定義がありますが、それらを何も考えることなく受け入れるのはNG。

例えば、文系と理系の境目は、本来は、一本線で引けるものではありません。

それなのに、「私は文系だから〜」とか「僕は理系だから〜」と枠に縛られている人が多いこと。

本書では、文系と理系の特徴を次のように定義しています。

  • 定性的な議論(文系=ディテール・感情的)
  • 定量的な議論(理系=エッセンス・科学的)

簡単に言うと、定性的な表現は抽象的で、定量的な表現はきっちりと数値で表すことができるものです。

例えば、、、、

定性的:「ブログは更新頻度が大事だから、できるだけ更新期間をあけないようにしましょうね」

定量的:「googleは更新頻度でサイトの価値を決めるので、2日に1回は更新すべきだ」

など。

定量的な表現の方がビジネスでは好まれますが、定性的な表現の方が柔らかい物言いになって、円滑なコミュニケーションには必要な表現です。

私たちはしばしば、両方の表現を同時に使います。

例えば、「今月は10%も売り上げが上がってたよ。遅くまでよく頑張ってたもんな〜。」など、定量と定性を混ぜてねぎらいの言葉をかけるとか。

これを定量的で固めてしまうと、「今月は10%の売り上げ上昇。毎日夜9時の残業制限時間まで会社にいたのが理由。」

・・・こんな上司は、何となく嫌です。

つまり、定性的な議論と定量的な議論、どちらも現実社会では必要なもの。

こう考えると、理系だけで生きるのも、文系だけで生きるのも、なかなか厳しいことが分かり、そもそも線引きしてしまうのも疑問です。

自分で考えた上で基準を持つ。

定性的な表現で説明されたら、定量的にはどの程度のことなのか考えたり、定量的な表現で説明されたら、そこにはどのような感情が含まれているのかを考えると、自分が取るべき選択肢が見えそうです。

ニュース・他人の言葉はうのみにせず、自分の価値観を創り上げていこう。

参考図書&リンク

今回の本です↓

茂木健一郎さんの本のレビューです。

あとがき

茂木健一郎さんの本は、脳科学関係の本をよく読んできました。

見えない脳の働きが言語化されるのが面白くて、いつも夢中になります。

今回の本は対談式だったので、どんな思考回路でこういう表現になったのだろうと考えるのが楽しかったです。

情報化社会で生きる私たちは、油断しているとあっという間に情報の波に流されてしまいます。

だから、きちんと脳を使って考えることで自分軸(価値観)を持ち、足をつけて立つ場所を決めなければいけない。

それが、周りに流されることなく「自分で生き方を選ぶ」ということなのだと思います。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も、良い1日を〜♪