役に立たない読書[林望著]感想&内容まとめ

タイトルに惹かれて読みました。

読書術に関する本をたくさん読んできましたが、「役に立たない」という枕詞は新鮮でした。

読書の感想

「役に立たない」の反対も書いてあるだろうと推測し、林望さんの読書観を覗き見ようと読み進めました。

書物の紹介、書庫や本棚へのこだわりは、さすが国文学者の考えることだなと、ため息が出ました。

全てを取り入れることはできませんが、私にとっては「役に立つ」本でした。

1冊1冊の本との出会いを大事にする姿勢、本の愉しみ方、学び方、それら全てが人格を形成していく。

ベストセラーだけに飛びつくのではなく、本当に自分の心の栄養になる本を見極めたいと思いました。

読書ノート

「本との付き合い方」という観点でまとめました。

※自分の解釈をもとにまとめたノートです。順番や表現が違う箇所が多くあります。詳しい内容は、本書をご覧ください。

役に立たない読書とは

■実用的な価値ばかり求め、本に過大な期待をする。

私の場合、とても当てはまってドキッとしました。

いわゆるノウハウ本が好きでたくさん読んでいますが、著者の言う通り、マニュアルを読んでいる感は否めません。

■興味がない本を無理に読ませる課題図書。

確かに、強制されて読んだ本は面白くないので、記憶には残りません。

(それが新たなジャンルの本との出会いになるならば、私は有効だと思いますが。)

↓根底にあるもの

読めば教養人になれるという錯覚

ありますあります。この錯覚。

↓錯覚を分析

作られたベストセラー

マスコミやテレビで喧伝されている本は、「売る」ために作られた本です。

私もよく飛びついてしまいますが、10年先、20年先にもう一度読みたいかと問われると、NOです。

「売れているから読む」で、簡単にベストセラーになってしまう。

なるほど。

他人がどんな本を読むのかを気にしてばかりいると、自分の軸が無くなります。

冷静に、自分の読みたい本を見極めないと、時間の無駄になりそうです。

読書量=教養ではない

読んだ冊数に満足、費やした時間に満足。

読書が作業になってしまうと、言葉の意味を知っているだけで自分の考えを持たない、薄っぺらい人になってしまいます。

同じ読むなら、それがペダントリーではなくインテリジェンスへの道を行くようにしたい(P9)

ペダントリーとは、学問や知識をひけらかすことです。

大切なのは、「読んだ本の内容について考える」ことです。読書がその人の叡智の形成に作用を及ぼすとしたら、それはたくさん読んだからではなく、本にまつわる「考える営為」のゆえである。だから大切なのは、考え考え読んでいくことなのです。(P9)

ごもっとも。

どんなことを知りたいのか読書の目的を明確にして、深く考えながら読む姿勢を忘れずにいたいです。

↓本題:役に立つ読書

自分にとって「心の栄養」となる本を読む

誰かに言われたから読んだり、みんなが買っているから読んだりするのではなく、内的な動機で読むことが大事です。

本当に読みたい本なのか?

読みたくて、読みたくて、ご飯を食べるのも忘れて没頭する。

これくらい読みたい本だと、まるでスポンジのように知識を吸収することができます。

まさに、好きこそものの上手なれ。

先日、息子(小2)がライト兄弟の伝記を読んで、小踊りしながら話をしていました。

「すごいんだよ!飛行機を初めて作った人ってね、、、、、(20分ほど続く)」と。

その次に口にした言葉:

「じゃあ、車を初めて作った人もいるのかな?」

これこれ。

内的な契機から発展していく、知的好奇心。

子供の学びへの姿勢(おそらく本人は意識していない)は、見習うべきところが多いです。

間口が広がると宝本に出会える

生きた知識が積み重なり、芋づる式に読みたい本が増えてくると、宝本に出会える可能性も大きくなります。

林望さんは、本は買って手元に置いておくことを推奨しています。

再読すると、また新たな発見があるからです。

人生の羅針盤を手に入れる

内的な契機によって増えた「宝本」が詰まった書庫は、悩んだ時や行き詰まった時に、人生の羅針盤になります。

書棚に並んでいる本は、その人が歩んできた人生を如実に物語ります。(P74)

林望さんは、本棚を「自分史の象徴」「脳味噌の延長」と表現しています。

図書館で本を借りることが多い私は、まだまだ自分史が出来上がってないなと感じました。

自分の本棚は、自分自身にとっても大切です。本棚があることによって、自分が今まで何を読み、何を考えてきたのか、そしてこれからどこへ行こうとしているのかを客観的に振り返ることができるわけですから。(P75)

私の場合、住んでいるマンションは狭いので書庫を抱えることができません。

その代わりに、web上に本(読書ノート)を保存しています。

旅行先からも、さっと検索できて便利です。

↓ノートに書いていない本は、読書通帳に記録しています↓

https://life.conote.info/archives/7071

実用書が多めです。通帳を振り返って見てみると、たまに小説や文学、ごくたまに古典にも手を出しています。

図書館で借りた本がほとんどですが。。。

参考図書&読書術関連リンク

↓今回の本です。

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「読書術」に関連する過去の記事です。

↓知のオープンエンドにたどり着く方法

↓脳内図書館の作り方

↓脳科学的に記憶に残る読書法

↓私の読書ノートの作り方です。

https://life.conote.info/archives/5428

まとめ

自分が本当に読みたくて、読んでいて心から面白いと思える本を読もう!

  • 自由に読む
  • ゆっくり味わう
  • 深く考える!!!

私は読んだ本の内容について考えるのが大好きです。

考えすぎて時間がかかることもありますが、その時間が楽しくて仕方がないのです。

そして新たな疑問や、関連する本を読んでみたくなる。

論語の一文を思い出しました。

子曰く、学びて思わざれば則ち罔し(くらし)、思いて学ばざれば則ち殆し(あやうし)

読書もせずに考えるだけでは、独断に頼ってしまい、人間の幅は広がらない。
かと言って、読んだだけで考えなければ、自分の血となり肉とはならない。

これからも、宝本にたくさん出会えるといいな。


ご訪問、ありがとうございます!

今日も、良い1日を〜♪