知的生産術[出口治明著]を読んでの、書評&要約ノートです。
読書の感想
イノベーションは、「サボりたい」という気持ちから生まれる(P2)
冒頭の文章を読んですぐ、「あ、この本好きだな」と確信。立命館アジア太平洋大学(APU)学長であり、ライフネット生命創業者の出口治明さんの本です。
出口さんの本は何冊も読んでいて、読むごとにファンになっています。
特に学長に就任された以降の著書は、とてもわかりやすい。
抽象の階段を丁寧に下りて具体的に説明されているので、大学生や高校生が背伸びして読んでも良いと思います。
本書からは、単位時間あたりの仕事量と質を高め、楽しく継続するための考え方を学べます。
効率よく仕事をして、空いた時間で本を読んだりご飯を食べに行ったりする。
そういう様々な経験で脳に刺激を与えることこそが、発想力や柔軟性を養う。
時間の使い方で、人生が変わる。
読書ノート
「人・本・旅」から学ぶという出口さんの考えは、好きすぎて座右の銘ならぬ「座右の単語」になりました。手帳のいたるところに書いています。
今回は、旅から連想されたワインのシールマルシェと一緒に、サニーノートにまとめました。
※自分の解釈でまとめたノートです。言い回しや順番が違う箇所もあります。詳しくは本書をご覧ください。
知的生産性を高める5つの視点
「生産性が高まる」とは、単位時間あたりの仕事量が増え、質が高まることを言います。
つまり、同じ内容の仕事であっても短い時間でこなせる状態。
筆者は、「生産性が高まる」=「成長する」だと定義しています。
ごもっとも。
仕事だけでなく、料理や洗濯、ブログを書くのだって最初はすごく時間がかかるけれど、慣れてきたら時短できるようになる。
これは自分が成長しているのだと考えると、何だか少し救われます。
そして「知的な人」とは、どこかの誰かが言った言葉を鵜呑みにするのではなく、ファクトフルネスを念頭に自分で問題や答えを模索できる人のこと。
筆者の定義は、「知的」=「自分の頭で考える」です。
VUCA時代において、今までと同じ方法・考え方では、今までと同等かそれ以下の結果しか出すことができません。
自分にも言い聞かせるつもりで、もう一度書きます。
知的生産とは、「自分の頭で考えて、成長すること」(P7)
※VUCA時代については、こちらの記事で詳しくまとめています↓
では、表紙カバーにも書いてあった「生産性を高める5つの視点」をもとに、自分が実行しやすいように、箇条書きで記録しておきます。
無減代(省事…事を省く)
「無減代」で無限大の時間を手に入れる。この考え方は、仕事はもちろん、すぐにでも家事に取り入れたいです。
- 無…無くす
- 減…減らす
- 代…代用する
why×3(腹落ちしてから実行)
時には常識や知識が邪魔になることを心得て、ゼロベース思考。「そもそも…」と原点から考えるクセをつけます。
枠・制約(ダラダラ防止)
パーキンソンの法則ですね。なぜか、仕事の量は与えられた時間いっぱいまで膨張します。
つまり、ある程度の制約がある方が、期限を守るための工夫や逆算思考をするのでが密度濃く仕事ができるということ。
そして自分の経験上、仕事・料理・プレゼンなどにおいて、かけた時間と結果の良し悪しは必ずしも比例しません。
時間はかければかけるほど良いのではない。肝に銘じておきます。
ファクトフルネス(事実を素直に見る)
出口さんは、「数字、ファクト、ロジック」とまとめています。情報を厳選する力をつけ、事実をしっかりと見極めるのが大事。
↓ファクトフルネスについては、こちらで詳しくまとめています。
合理化(何を考えるべきか…)
考えても仕方のないことを考えない。
頭では分かっていても、ついつい考えてしまうことってありますよね。
考えることによって決断や状況が変わるのならば、考える。それ以外は時間の無駄。はい。合理的に生きます。
マイルール&宣言で迷いを断つ
著者は、自分の行動基準をあらかじめルール化して、機械的、自動的に行動するようにしているそうです。
私は判断に時間をかけたくないので、ある程度のルール化はしているつもりでしたが、P110に書いてある出口さんのルールを見て敬服。
格が違うとはこのこと。1つでもいいので見習いたいです。
寝る前の1時間読書は、そろそろ実行できるかな。
ルール化のメリット:
- 選択パワーを浪費しない
- 良い習慣の積み重ねで大きな成果が出せる
そして、出口さん流のモチベーションを保つための自分乗せ方法(自己暗示)がまた面白くてガッテン。
※詳しくは、P118〜の「腹落ちするまで考えると、自己暗示がかかる」をお読みください。
まとめ
どんなに優れた仕事をしても、スピードが遅かったら影響力は下がる。
インパクト(影響力)=アウトプット(仕事量)×スピード(時間)
スピードを上げるためには、ルールを決める、無駄を減らすなどの創意工夫が大事。
知的生産性を高める5つの視点:
- 無減代(省事…事を省く)
- why×3(腹落ちしてから実行)
- 枠・制約(ダラダラ防止)
- ファクトフルネス(事実を素直に見る)
- 合理化(何を考えるべきか…)
自分の頭で考えるから成長する。「好き」と「腹落ち感」を味方に、賢く行動しよう!
人・本・旅からヒントを得て、良い習慣を積み重ねていきたいです。
参考図書
↓今回の本です。
↓「『教える』ということ〜日本を救う、尖った人を増やすには〜」のレビューです。
↓知性については、山口周さんの本がオススメです。
↓まとめもどうぞ。
あとがき
出口治明さんの行動力と知性には、システム化された考え方がありました。
行動の目的も明確で、周りの人は一緒に働いていて気持ち良いだろうな。
本書の中で何度も出てきた言葉「腹落ち」。
結局のところ「いい人生」をおくるには、試行錯誤して迷いながらも、腹落ちして自分で選んだ道を進むことが大事ですよね。
誠実に自分自身と向き合い、仕事(生活)に高い誇りを持つ。
その上で、正しいと思った道を自分で選び、愚直に責任を引き受ける覚悟を決める。
「integrity(真摯さ)」という言葉を思い出しました。
もがき苦しむかもしれないけれど、自分に正直に。誰かのせいにするのではなく、自分の行動に責任とプライドを持ちたいです。
追記:2021.3.7現在、出口治明さんは病気療養中で、8月以降の復帰を予定されているそうです。心配ですね。。。↓APUのサイトのニュースで知りました。
https://www.apu.ac.jp/home/news/article/?storyid=3246
※この写真のルーズリーフは、サニーノートを改造してルーズリーフ化したものです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も、良い1日を〜♪